それからしばらくしてクリスが戻ってきた。隣には眠そうな顔をしているパイロットが立っている
「遅くなりました。レクター=ハインツといいます。真ん中に配置されてるブラックの機体、『サリエル』のパイロットです
 どうぞお見知りおきを・・・」
レクターがそう言ってローランドたちに敬礼をした。
ローランドたちが敬礼を返すとレクターはミナたちの隣に移動をした。
「遅いにゃ。しかもあんなキャラだったにゃ?どっか頭でも打ったの?」
「そんなわけないじゃん。初対面だし上官だからちょっとだけ作ってみたんだよ」
「普段からそんなキャラだといいのにねぇ。これだから能天気キャラは困るわ」
「そうで〜す。ここにいるのが能天気のレクター君です。ってちがうだろ!!」
ローランドはそんな3人の様子を少し離れて見ていながら
「・・・普段からあんなにぎやかなのかい?」
とクリスに問いかけた。するとクリスはすぐさま微笑んで
「ええ。いつもあんな感じですよ。『織天使』隊の子達はね」
と返してくる。ローランドは少しだけ苦笑したくなったが何とかそれを自制してまだ騒いでる3人のほうを向くと
「あー。そこまで。じゃあ、『織天使』隊の機体の説明でもしてもらおうかな」
と手をぱたぱたとやりながら指令を出す。すると3人はぴたりと固まって
「あぅ。確かにそうだにゃ・・・。普段みたくやってる場合じゃにゃいのよね」
ミナがそういうのを合図にしたのか、3人はそれぞれの機体の方へ歩き始めた。
ローランドたちはそれを確認して一番左の機体『ラファエル』から見ていくことにした。

「それでは説明をしていきますね。これが私の愛機、『SF03−A ラファエル』です。
 私たち『織天使』隊の機体はすべてオーバーテクノロジーによって作られたもので、見ての通りサイズは大きくなってます
 『ラファエル』の特徴は・・全体を見てもらえばわかりますが、殲滅型に作られた重武装タイプですね。
 戦艦もまずあっさりと沈めることが出来ますね。高純度の弾幕ですので照準を定めることも特に必要はありません。
 今度ある模擬戦を見てもらえばわかると思いますわ・・・」

シェリールはそう言うとローランドたちの後ろについて真ん中の機体、『サリエル』へと移動した。
「じゃ、説明していきますかね・・・。『SF02−A サリエル』これが俺の機体です。
 シェリールの『ラファエル』が破壊殲滅型なら俺の『サリエル』は隠密偵察型とでも言いますかね。
 一番のポイントはスピードとステルス能力だね。ミナの『ミカエル』ですら俺の機体には追いつけないし。
 一気に後ろを取って撃墜するとか、偵察任務には向いてると思うぜ。
 まぁ、説明を後で聞けばわかるだろうけど・・・絶対『ミカエル』とは戦いたくないけどな」

そう言うとレクターもシェリールの隣に並んで、最後のピンクの機体、『ミカエル』へと移動した。
「それじゃあ・・説明していきますにゃ。
 『SF01−A ミカエル』。他の2つのプロトタイプとして作られたらしいのね。
 『ラファエル』ほど破壊力はにゃいけど、『サリエル』よりもスピードはにゃいけど・・・
 でも、それぞれと近い水準の能力は持ってるにゃ。スピードと破壊力を兼ね備えた機体にゃ。
 この子にも『SYPHA』と同じような移動兵器、『フライヤー』が搭載されてる上に、この子自体もワープが可能にゃの。
 だから『フライヤー』を展開させて前方の敵を迎え撃っておいたりしにゃがら
 『ミカエル』で後ろからのヒットアンドアウェイもすることも可能にゃの。
 あとはコクピット付近にある2つの発射砲は多少威力の落ちた『スマッシャー・ヘヴン』みたいなものかにゃあ。
 とにかく360度全方位からの攻撃が可能になってる敵に回したら怖い艦載機ですにゃ。この子は」

ミナはそう言うと笑いながらローランドたちに敬礼をした。
ローランドは説明を聞いて苦笑をしながら、すぐに表情を変えて
「模擬戦って言っていたな・・。いつやるんだ?俺はそんなのは聞いてないが・・」
とミナたちに問いかけた。
「明後日ですわ。もちろんローランド司令にはエンタープライザーの艦長席で、ニシザワ副指令には副艦長席で指令を出していただきますわ」
その問いにクリスが答えて、ミナたちもうんうんとうなずく。
「なんだかかなり急だな・・・ま、いいかぁ」
「相変わらず能天気だよな・・・司令は。やれやれ・・忙しくなりそうだ」
ローランドの反応を見ながらニシザワがぼやく。クリスたちはそんな二人の様子を見ながら笑っていた。

「じゃあ、今日の説明はこれくらいで終わりにしますね。あとは自由に見て回ってくださって構いませんわ」
クリスはそう言うと敬礼をして格納庫を出て行った。
「レクター、私たちもいこ。ミナたちは知り合い同士で話がありそうだし」
「やれやれ・・仕方ないな。じゃあ、とりあえずシュミレーターでの訓練でもするか・・」
そんなことを話しながらレクターとシェリールも格納庫を後にする。
「ん〜・・・とりあえず部屋にあんにゃいするね。いろんな質問はそのあとで」
ミナはそう言うと二人を引っ張って格納庫を出て行こうとする。
「わかった、わかった。だからその手を離してくれ」
ローランドはそう言うとミナの手を離して出口へと歩いていった。

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