漆黒の宇宙(そら)へと飛び出した3機の戦闘機はスピードを上げ、そのまま戦場へと向かっていた。
「どう?シェリールぅ。さすがに緊張したりする?」
ミナが『織天使隊』専用回線を使ってシェリールに声をかける。 「そうねぇ・・。機械相手じゃないからね。緊張はするわ」
「ま、気楽に行こうぜ?俺たち3人ならまず負けないだろうしな」
レクターのお気楽調な言葉が入ってきて思わずミナは少し微笑んだ。
「じゃあ、とりあえず勝負でもしますか?」
「え?勝負・・?一体何のにゃ?」
ミナが首を横にかしげながらシェリールに問いかける。
「もちろん撃墜数よぉ。最下位だった人は何かおごり、ってことでどう?」
「なんかミナが圧勝しそうな気もするけど・・・。ま、艦載機レベルでがんばりますか。」
レクターはやや諦めを含んだ感じでそう言う。
「大丈夫じゃにゃい?レーダーだと360機くらい艦載機だけでいるから」
「どうやらお話はここまでのようね。じゃ、またあとで」
シェリールがそう言って進路を変えていく。
「じゃ、俺も手当たり次第に落としていくわ。簡単には負けたくないしな」
レクターもそういって光の光芒を残し、猛スピードで進路を変えていった。

レクターは一気に加速をするとそのままレーダーでもっとも戦闘機が多い集団へ突撃をかけていく。
「じゃ、軽く数を稼ぎますかね・・・」
レクターはそういいながらミサイルの発射ボタンを押す。
『サリエル』専用のミサイルは発射されてから拡散し、1発のミサイルで200発のホーミングミサイルになる代物である。
そしてそのホーミングミサイルが次々と敵戦闘機を落としていく。その合間をサリエルは駆け抜けていき、
通常の戦闘機ではありえない軌道を描きつつレーザーキャノンを発射して、打ちもらすことなく戦闘機を撃墜していく。
「さて・・・シェリールやミナたちの撃墜数はどうなのかな・・・?」
レクターが独り言のようにつぶやいてレーダーサイトを拡大し、残敵数を確認した。

「やれやれ。ミナはともかくとしても好きな人にも負けるわけには行かないよね」
『ラファエル』の中で好きな音楽をコクピット全体に流しながらシェリールは一人つぶやいた。
「さぁて、それでは全弾発射と参りますか・・・」
シェリールの言葉と同時に『ラファエル』の全武装が発射された。
ミサイルやレールガンなどの実弾兵器のカートリッジは瞬く間に空になり、レーザーキャノンのエネルギーも一瞬にしてリロード状態に入る。
放たれた弾幕は敵の真ん中へ吸い込まれるように進んで行き、その直後に数多くの火球がまるで打ち上げ花火のように宇宙を照らし出す。
シェリールはレーダーを開いて撃墜数を確認するとふぅと一息ついてバイザーつきのヘルメットを頭からはずす。
「あら?レクターも結構がんばってるじゃない・・。ミナはどうなのかしら?」
まるでホームページのカウンタのように増えていく撃墜数を見て比較をしながらシェリールはそっとつぶやいた。

ミナは二人が進路を変えて行くのを見送るとくすっと微笑んで 「さぁて。アキラが見ているならがんばらにゃいわけにはいかにゃいよね♪」 そう言うとコントロール・パネルの上を指が踊るように操作して、『フライヤー』を6基全て打ち出す。 「じゃ、お願いね。フラくんたち」 ミナがそう言いながらさらにコントロールパネルの上で指が踊る。 すると『フライヤー』はまるで意思を持っているかのように拡散し、『フライヤー』の近くにいた艦や戦闘機に次々と攻撃を仕掛け堕としていく。 その様子をレーダーで確認しながらミナはミカエルの出力を上げて、敵布陣の最後尾にいきなりワープをかけた。 「さぁて・・・いっくよぉ〜」 ミナはにこやかにそう言うと無防備な敵艦隊に向かって最大出力の『エンド・ブラスター』を発射した。 暗黒の世界に白い光芒を描くそのビームエネルギーは敵の密集地帯に到達し、白い火球に包まれた後に爆発し、宇宙(そら)に絵を描いた。 「さて、どーだろね?敵さんはどれくらい残ってるかにゃ〜」 ミナはコントロール・パネルを操作して敵の残存数を確認する。そうしているとミナに通信が入ってきた。 「ミナ、おつかれさま。帰還してくれ」 「はにゃ?もぉおわりなの?仕方ないなぁ・・。わかりました、司令」 ミナは通信を切るとそのまま180度回転し、その途中でシェリールたちとも合流し、『エンタープライザー』へと帰艦していった。 とっぷへ

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