授業が終わって放課後になり恭輔は軽音楽室へと向かった
軽音楽室に入ろうと、扉をあけようとして恭輔はふとその場に立ち止まった
和成達の演奏と一緒に、女の子の声が聞こえてきたからだ
しばらくの間、恭輔はその場に立ってその歌を聴いていた
そして演奏が終わると同時にドアを開けて室内に入った
「よう、遅かったな」
と誠司が言ってる隣で少女がこっちをぼけーっと見ている
恭輔はかばんを床に置くと
「君の歌、聞かせてもらったよ」
と言った。
「あ!えっと・・・ひさし…ぶりだね。恭輔・・」
女の子は片手をあげて恭輔に言った
「へ?恭輔…知り合いなん?」
と和成が聞いてくるが、恭輔は目の前にいる女の子が誰だかわかっていなかった。
そんな恭輔の考えがわかったのか、女の子は
「あーあ。やっぱりわかんないかぁ…」
とつぶやくと、くすりと笑った。
「なあ、恭輔。お前…日野さんのことしってたのか?」
誠司に言われて、
「あーーー!?」
と恭輔は声を上げた。
「やっとわかった?」
と日野さんと呼ばれた女の子が言うと
「いつ戻ってきたんだ!?」
と恭輔は聞き返した
「あはは。やっぱり知らなかったんだね…」
「おい・・恭輔、説明してくれよ。全然なにが何だかわからんって」
誠司に言われ、恭輔は「悪い、悪い」と言うと、
女の子の隣に立って、
「日野ほなみって言うんだ。こいつは。俺の幼馴染で・・・北海道に転校してたはずだったんだがな」
恭輔が言うと、女の子−ほなみはぺこりと頭を下げた。

「で?どうなんだ?聞いてたんだろ?」
和成の言葉に恭輔は少し考えると、
「ほなみとは知らなかったが…俺は別に加えてもいいと思うがな。おまえらはどうなんだ?」
「俺は依存はない。さっき演ってて(やってて)楽しかったしな」
和成が言うと、誠司も隣でうなずいた。
「なんでさっきはコピーだったんだ?オリジナルじゃなくて」
「はー?恭輔・・・何言ってんだよ。うちらの曲でお前いなかったら…めちゃめちゃになるぞ?」
恭輔はそれを聞いて「ああ。なるほど」とうなずくと、
「それじゃあ、演(や)ろうか。とりあえず・・・一回演奏してみるから、ほなみは聞いてて」
といって、セッティングを始めた

「さて・・・と、曲はどれにする?」
セッティングを大体終えた恭輔が誠司たちに聞いた
「んー・・・やっぱあれでいいんじゃん?去年のバンドフェスもそれだったし」
「ま・・・確かにそうだな。じゃ『空へ向かう旅』にするか。ほなみは・・・これを見ながら聞いて」
と言うと恭輔はほなみにロッカーからマスタースコアを出して渡した。
ほなみは「んー、わかった♪」といって受け取るとスコアに目を通し始めた。
演奏が終わって、恭輔がキーボードから手を離すと、ほなみがスコアをおいて拍手してきた。


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