ほなみが歌い終わって、しばらくの間誰も何も言わなかった。
ほなみが「あ、あの・・?」と言いかけたとき
「やっぱり女の子がひとりいるだけでこんな詩ができるんだもんなぁ・・・すごいな?」
と誠司が恭輔に言った。恭輔はうなずくと
「な?これがみんなの反応だよ」
とほなみの頭の上に手をおきながら言った。
「こんな詩でいいの?私なんかで・・・」とほなみがいうと、
「はは、まだ言うのか?」と恭輔が言うと同時に他の二人もうなずいた。
「うん、わかった。ありがと☆」とほなみは言うと再びいすに座った。
「さて・・これで詩のほうは決まったが・・・曲はどうする?今回は」
と誠司が言うと「それなんだが・・今回はおれにやらせてくれないか?」と恭輔が言った。
「え?恭輔が作るのぉ?」とほなみが声をあげると、
「なんだよ・・おれじゃ不満か?」
「ううん、そんなことないよ。ただちょっと意外だっただけ☆」
と恭輔とほなみで会話をしてると、「ああ。いいよ。今回は任せる」と誠司が言った
「それで?期限はいつだい?今回は」
と恭輔が誠司に聞くと
「いつもどおりでいいよ。すぐできるに越したことはないけど、少しはこだわりたいだろ?」
と少し笑いながら言った。恭輔は誠司に「ばれたか」というような笑いをすると、
「じゃあ、できたらもってくるよ。でもあまり遅くなるわけには行かないからな。一応3日以内には仕上げてくる」
と言った時にチャイムがなった。
「ああ。そうそう、今日は練習ないの知ってるよな?」
と恭輔が軽音楽室の扉をあけながら言うと、「ああ。知ってる」と誠司と和成が返してきた。
「ほなみも。今日練習ないから、すぐ帰れるぞ」と言うと「え?そうなの?やったぁ☆」とうれしそうに言った。

その日の放課後、恭輔がかばんに荷物を入れながら帰ろうとするとほなみが後ろから恭輔の肩をぽんとたたいてきた。
「ねえねえ。今日も一緒に帰らない?」
とほなみが恭輔の顔をじっと見ながら言ってくるのを聞きながら
「ああ、いいよ」と言うとほなみの顔がぱあっと明るくなった。
「わぁい☆決まり決まり。ねえねえ早く行こうよぉ☆」
と恭輔の腕をぐいぐいと引っ張りながらほなみは教室を出ようとした。
「ち、ちょっと待って。まだかばん持ってないし・・一回離してもらえないか?」
というと、「あっ・・」と小さな声をあげてほなみはぱっと手を離すと赤い顔をして下にうつむいた。
恭輔はそんなほなみの様子を見ながら「?」と首を傾げたがすぐにかばんを取って
「ほら。行くよ」と言って教室を出た

ほなみと恭輔が、学校を出て歩いていると
「ねえ、恭輔」と背中を指でつつきながらほなみが聞いてきた。
「ん?どうしたんだい?」と聞き返すと
「私が・・こっちに戻ってきたの、すごく驚いてたね・・・どうして?」
と少しうつむきかげんに言ってきた。
「え・・・。だって戻ってくるなんて連絡なかったし・・そりゃ驚くって」
「そっか・・でもね。私こっち戻ってこられるの・・すごくうれしかったの。だって・・・・だし」
ほなみはそう言うと立ちどまって空を見上げた。
「最後・・なんて言ったんだ?聞こえなかったぞ?」
と恭輔が聞いても「ないしょ☆」とはぐらかして一向にほなみがそのことを言う気配はなかった。
ほなみは恭輔に聞こえないようにため息をつくような感じで
「どうしてで・・恭輔が好きだからっていえないんだろう、私・・」
とつぶやくとまた大きくため息をついた。
「ん?どうした?」「なんでもないよぉ」
その繰り返しでほなみと恭輔は帰り道を歩いた

とっぷへ

次へ

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理