「明日から練習なんでしょ?」
ゆっくりと歩きながらほなみが恭輔のほうを向いて聞いてきた。
「ん?ああ。そのつもりだけど」と恭輔が言うと
「私が歌えるのって何曲あるの?昨日はなしていたの全部じゃ・・・ないんでしょ?」
ほなみがちょっと恭輔の先に行って後ろを振り返りながら言ってきた。
恭輔はそのほなみの言葉に少し考え込むしぐさを見せると
「きっと全部大丈夫だと思う・・けど、明日あいつらにも聞いてみないとな」
とやや首をかしげながら言った。
「ええ?でも私なんかが歌えるような詩なの?」
不安そうに言うほなみに「あぁ。そこは大丈夫だと思うよ。俺はな」
とほなみの横に並んで、ぽんぽんと軽くほなみの頭をなでるようにたたきながら恭輔は言った。
「ん。わかったぁ」とほなみは言うとまたしばらく歩いていたが、ふと思い出したように立ち止まった。
「ん?どうしたんだ?」と恭輔が聞くと、
「そういえば、恭輔の詩を見ていて思ったんだけど・・・好きなひといるの?恭輔って」
とまるで興味津々と言う顔でほなみが聞いてきた。
「ん・・・?俺か・・・。まぁ・・いなくはない・・・かな」
恭輔はすぐには答えず、ふっと空を見上げていたが、ややうつむき加減に言った。

「なんだかよくわからないような言い方するのね?」
とほなみが言うと「・・そうかもしれないな。あまり確信がもてないのかも」と恭輔はかぶりを振りながら言った。
「そういうほなみはどうなんだ?」と恭輔が聞き返すと
「え?ないしょだよ」とほなみはにこやかに笑いながら言った。
「おい?なんでだよ」と恭輔がややあせりながら言うと
「だって、女の子にそんなこと聞いちゃだめだよぉ」とくすくす笑いながら恭輔につかまらないように逃げながら言った。
「はー?それずるくないかぁ?」と恭輔は呆れ顔になっていうと
「いいのぉ」とまたくすくすと笑いながらほなみが言った
そんなことをしているうちに二人は家の前に帰ってきた。
「それじゃあ、また明日ね☆」とほなみがいうと「ああ」と恭輔も言って二人はそれぞれ家の中に入った。
ほなみは食事が終わって自分の部屋にもどると恭輔の部屋の明りがついてることを確認して、床に座るとため息をついた。
「恭輔・・・好きな人いるかもしれないんだぁ・・・私じゃないとしたら・・・そのとき私はどうするかな・・・何をするんだろう・・」
と天井を見ながら少しつぶやいていたが、ぶんぶんを首を横に振ると
「こんなこと考えちゃだめだね」と笑うと布団に入って眠りについた。

恭輔は布団に入ると天井を見上げながら
「どうしてあんなこと聞いてきたんだ・・・?ほなみの奴・・・」
と言うと、ごろりと横を向いて
「・・・あいつを好きなのは気がつかれなかったかな・・・」
と言うと忘れようとするかのように目を閉じた。



とっぷへ

次へ

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理