「・・・・ん?」
恭輔はどんどんと扉をたたく音に目を覚ますと布団から上半身だけ体を起こした。
相変わらずどんどんと恭輔の部屋の扉をたたく音はしていた。
「なんだよぉ」と恭輔が言うと「ほら、起きなよ。ほなみちゃんが下で待ってるぞ?」
とひろこの声がした。「・・へ?」と恭輔が言いながら時計を見ると、時計は7時30分を指していた。
「うそ!?こんな時間かよ!今行くからちょっと待っててもらって!!」
と、ドア越しにひろこに言うと、急いで恭輔は制服に着替え始めた。

「あはは。起こしちゃった?ごめんね」
恭輔が急いでカバンを持って下に降りると、ほなみがくすくすと笑いながら玄関のところに立っていた。
「ああ。おはよ。まぁ、平気だけどね。むしろ起こしてくれてありがと」
恭輔は眠そうに右目をごしごしをこすりながら言った。
「うん☆じゃあ行こうよ」と恭輔のうでを引っ張りながらほなみが言ってくるので
「はいはい」と恭輔は急いで靴をはきながら、ほなみに合わせた。
「普段は何時頃出てるの?」
ほなみがとことこと歩きながら恭輔に聞いてきた。
「ん〜・・・今日よりは15分くらい遅いかな」と恭輔が言うと、
「え・・・?それじゃあ・・早すぎたの?私」とほなみが不安そうに言った。
恭輔はそんなほなみを見て
「はは。大丈夫だよ。むしろ絶対に遅刻はしないからこの方がよかったかな」
と言うと、ほなみの顔がぱあっと明るくなった。
「よかったぁ。迷惑じゃなくて」とほなみが言うと
「心配する必要なんかないぜ?俺には」と恭輔は言った。

恭輔とほなみは、学校に着くと、軽音楽室に向かった。
「ほら。ちょっと座ってて」
と恭輔はほなみをいすに座らせると、ごそごそとロッカーの中を探し出した。
それから、少したって「まずこれね」とほなみに詩とメロディーが書いてある紙を渡して、さらにロッカーの中からテープを取り出すと、
「じゃあとりあえず一回かけてみるから」と言って、テープをセットすると、再生した。
「へぇ・・こんな曲なのね」ひとまず聞き終わってほなみが言うと
「うん。まぁ・・・詩もあれだし、そんなにハードな曲じゃないからほなみが歌うのも大丈夫だと思うけどね」
と恭輔はうなずくと
「で?どうだい?ほなみ自身は。歌える自信はあるかい?」とほなみに聞いた。
「んー?私?うん。できるならやりたいなぁ。そこまで難しいって思わなかったしね」
とほなみが言うと、恭輔はうなずきながら「ああ。やっぱりな」と言った。
「え?やっぱりなってなによぉ」と目をまるにしてほなみが恭輔に聞いてきた。
「え?だってそうだろ?昔からほなみがうたうのが難しい曲なんてほとんどなかったじゃん」
と恭輔が笑いながら言うと「あぁ・・・そういえばそうだねぇ」と手をぽむとたたいてうなずいた。
その時ちょうど部屋の中にチャイムが鳴り響いた。
「ああ。もうこんな時間か・・・いいや。譜面は持ってて、少しイメージしてていいよ。できるだろうし」
と恭輔は言うとテープを再びロッカーにしまった。
それから恭輔とほなみが教室に行くと、ちょうど和成が入ってきた。
「や」「あら、おはよ〜」「ああ」とかなり手短に挨拶を交わすと
「今日は練習あるんだろ?」と恭輔に和成が聞いてきたので「ああ」と恭輔がうなずいた。

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