それからしばらくして・・・・

一通り歌い終わると、ほなみが前に手を組みながら
「ど、どうだったぁ・・・?」と恭輔たちに聞いた。
「んー・・・」と恭輔が黙っていると「悪くはない。音程も外れてはいないしね」と和成が言い始めた。
「けど、あんまり歌になってないみたいだよ?譜面を追いすぎてるのか、感情移入がたらないのかよくわからないけど」
「そ、そっかぁ」
ほなみは和成の言葉にすこし戸惑いながらもうなずいて、
「でもどうすればいいの?よくわからないの・・・」と言った。
「あ、それについてなんだけど・・・」と和成が言い始めたところで
「悪い。練習はここまでにしてくれないか?このポイントについてはちょっと俺がやってみるから」
と恭輔が言葉をさえぎった。和成は誠司と顔を見合わせながら
「しょうがないな・・・時間もあまりないし。ここは任せるよ」
というと、かたずけをはじめた。
「え?」とほなみが戸惑っていると「ほなみも、もう少し残って。特訓しなきゃならないから」
と恭輔が言ってほなみの隣に座った。

「特訓するの?」と首をかしげながらほなみが聞いてきたので、「ああ」とほなみに対して恭輔は言うと
「いつ頃をリミットにすればいい?」と誠司たちのほうを向いて聞いた。
「んー・・そうだな。最悪3日後。そこまでになんとかできるだろ?」
誠司は和成とぼそぼそと話しあった後、恭輔とほなみのほうを向いて言った。
「ん。わかった」と恭輔が言うのを確認すると「じゃ。あまりハードにしすぎるなよ」と言って二人は軽音楽室を出ていった。
「さて・・と。それじゃあ・・・デモテープを使って練習しようか」と恭輔は言いながらたちあがった。
「わたしはなにをすればいいの?」とほなみも立ち上がって聞いてきたので
「とりあえず歌えばいいよ。そうじゃないと直すことも何もできないしね」
と言うとテープをセットした。
そして恭輔がテープをかけるときにほなみのほうに合図を送って、曲をかけると前奏が流れ出し、そのメロディーにのってほなみが歌い始めた。
それからしばらくして、ほなみが歌い終わると、聞いていた恭輔はテープを止めると一つ大きくうなずいた。
「あー・・・とりあえず座って」
と恭輔はほなみを座らせて、自分も座ると
「ほなみはどうやって歌ってる?」とほなみにたずねた。
「え・・・?普通に歌ってるつもりだけど・・」とほなみが言うと、恭輔は笑い始めた。
「え?え?」とほなみが言うと
「いや、悪い悪い。えっと・・・まず、この詩をもう一回読んでみなよ」
と譜面を再びほなみに渡した。
「読んでどうするの?」とほなみが言うと、
「その詩の情景と、イメージを聞かせてくれ」と恭輔は言った。

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