「っと。そういえば、喉は大丈夫なのか?あれだけ歌っていて」
恭輔がほなみの横で歩きながらふと思いついて声をかけてきた。
「あ。わたしの心配をしてくれるの?」
にこにこと笑いながら返してくるほなみに、恭輔はしまったという顔をしながら
「ま、まぁ一応な。ほら、ボーカルがいなくなると大変だし」
とか言うことを慌ててほなみに弁解するように言った。
ほなみはそんな恭輔の様子をくすくす笑いながら見ていて
「うん。心配してくれるのはすごくうれしいけど、大丈夫だよ。だって、曲をおぼえないといけないしね♪」
にこにこと笑いながら、でも自分に言い聞かせるように言った。
「まぁ・・・確かにそうだな。もうリハだし・・」
「ここまで来たら成功させたいよね。私も初ステージだしさ」
ほなみの言葉に恭輔はうなずくとぐっと握った手をほなみに見せて笑った。
ほなみも恭輔と同じ行動をするとにこりと笑い返した。
「まぁ、ともかく。明日もまた頼むな」
恭輔は自分の家の前までくると、ほなみに言った。
「うん。こちらこそです。なるべくがんばるから」
ほなみはそう言うとにこりと笑って家の中に入って行った。
恭輔はそれを見送ってから自分も家の中に入った。

ほなみは部屋に入るとカーテンを空けて恭輔の部屋のほうを見てから、カバンからテープを出した。
「あしたリハーサルだものね。練習しておかないと。びっくりさせたいなぁ」
ほなみは少し考えながらつぶやくと、くすくすと笑ってテープの巻き戻しボタンを押した。
そして巻き戻しが終わりレコーダーから流れてくるメロディーにのって歌い始めた。

恭輔が部屋に戻って少しごろごろしているとあいていた窓の外から音楽が少し聞こえてきた。
「ん?なんだ・・・?」
恭輔は起きてひとつあくびをすると、立ち上がって窓の外を見た。
するとほなみが練習をしているのが見えた。
「おーお。がんばってるな・・・。俺も気合入れるか」
恭輔はそう言うとおもむろにカバンから譜面を取り出すとイメージトレーニングをはじめた。
それからしばらくして恭輔は譜面をキーボードの上において弾き始めた。
「やっとリハか。うまく行くといいな。あいつのためにも・・」
そんなことを思いながら恭輔はただ黙々と作業をするように練習をしていた。

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