翌日、恭輔があくびをしながら体育館に向かうと
「おそいよぉ」
という声が前から聞こえてきた。 「俺が遅いんじゃなくてお前が早いんじゃないか・・?」
恭輔が体育館の中に入りながらほなみに言うと
「ん〜、確かにそうとも言うねっ」
とにこにこ笑いながらほなみが返してきた。

恭輔はほなみと一緒に体育館のはじを通りながらステージに向かっていると
「でも、ほんとに昔からは考えられないなぁ」
と恭輔の隣でひとしきりなにかを考えていたほなみが言った。
「ん?なにが?」
「あれだけ音楽おんちだった恭輔がいま、こんなことしているのなんて」
恭輔のほうを見て、くすくす笑いながらほなみが言った。
「・・・はは。確かにそう思うよな・・」
力なく恭輔が笑いながら返すと、ほなみは恭輔のほうをじっと見て
「なにか・・・理由でもあったの?前はそんなに歌うのだって好きじゃなかったのに」
と言った。恭輔はほなみのほうを見ると、体育館の天井を見上げてひとつ息をすると
「ほなみが・・・いなくなったせいかな」
とぽつりと言った。
「え・・・?わたし・・・?」
「まだほなみがこっちにいて・・・俺たちが小さかった頃は・・・ほなみがよく歌っていたんだよな。
それで・・いつも俺にも歌わせようとして、でもやらないからさみしそうに笑ってたよな」

恭輔はそこまで言うとほなみのほうを見た。
「うん・・。どうして歌わないのか、恭輔は教えてくれなかったものね・・」
「それで・・ほなみがいなくなって・・さみしそうな笑顔が忘れられなくてさ・・気がついたら・・
練習している自分がいたんだ。」

「そっかぁ・・・それでいまの恭輔がいるんだ。じゃあ、わたしは転校してよかったのかな?」
「いや・・・それはどうかな・・?わからないよ。まだ」
と恭輔がほなみのほうを見て笑いながら言うと、
「ほ〜・・。そういうことだったのか」
と、唐突に後ろから声がした。
「わあ!?」と恭輔とほなみが驚いて振り向くと誠司と和成がいつのまにか後ろにいた。
「い、いつからいた・・・?」
恭輔がかなり動揺しながら聞くと、
「さあな。それよりそろそろセッティングはじめようぜ」
と不敵な笑みを浮かべながら誠司が言った。

top 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理