「あ・・・あと、ひとつ・・・いい?」
ほなみが恭輔と桜が話しているのを見ながら、おそるおそる尋ねた。
「ん?一体なんだ?」
「あのね、リハってマイクでやるんでしょ?それなくていい?」
恭輔は一瞬きょとんとしたが、すぐにほなみの考えを察知して
「まぁ、別にいいだろ。リハだし。楽しみは本番まで取っておいてもいいな」
と笑いながらほなみに返した。
「それじゃあ、ほなみちゃんには恭輔たちの後ろで歌ってもらえば?そうすると、外のギャラリーには聞こえないだろうしさ。」
とまた上のほうからひょっこり顔を出しながら桜が言ってきた。
「ああ。確かにその方がいいかも。うちらだけで確認できれば十分だしな」
恭輔はそう言うとうんうんとうなずいて、誠司たちのほうにも目で確認を取った。
誠司たちがうなずいたのを確認すると、
「だったら、俺たちの後ろで。な。ミスしたら容赦なくダメだしするから」
と笑いながらほなみに言った。
「うん。わたし、がんばるね」
とほなみもにこっと笑いながら言って、恭輔たちのうしろのポジションについた。
恭輔はそれを確認すると、ふっと目を閉じカウントが始まるのを待った。
そしてカウントが始まり、演奏が始まると同時に幕が下りているステージの外側から歓声が上がった。
恭輔はそれを聞いてふっと笑いながら演奏を続け、ほなみはすこし驚いた表情をみせたが、すぐに気を取り直して歌い始めた。

しばらくして演奏が終わって・・・
外ではまだ歓声が鳴り止まない中、汗を全員がかきながら、でも笑っていた。
「なんだ。大丈夫じゃん」
とギターを下ろしながら誠司が言うと、
「ほんとほんと。もうちょっとひどいのかと思ってたよ」
と和成も笑いながらほなみに声をかけた。
ほなみはそんな言葉を聞きながらにこにこと笑って、目を一瞬閉じるとふっと開けて、
「やっぱり恭輔たちってすごいんだね。リハだけでこんなに人が集まるんだ」
と笑いながら恭輔のほうを見て言った。
恭輔が「だろ?」と言いながら笑いかけると、
「おつかれさま。相変わらずすごいギャラリーだこと。それに、ほなみちゃんも合うんだね。びっくりした」
といつの間に下りてきたのか、桜が恭輔たちの間に入って声をかけてきた。
「あれ?聞こえてたの?」
とほなみが不思議そうに首をかしげながら桜に声をかけると、
「うん。一応体育館のステージ内の音は全部聞こえるしね。」
とにこにこ笑いながらほなみに返した。

top 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18

女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理