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「まさか・・外にまで聞こえてたなんてことはないよね?」
とほなみが心配そうに胸の前で手を組みながら桜に聞くと、
「あはは、大丈夫よぉ。せいぜい放送室程度しか集音はできないしね」
とにこにこ笑いながらほなみに返したが、すこし考え込むと、
「ねえ、恭輔・・どっからこんな子連れてきたの?」
と恭輔の耳元でそっとささやいた。
「ん?どうしたんだ?いきなり」
恭輔が面食らった様子で桜に聞き返すと、
「あまりにもとびっきりすぎるんだよね・・。こんな子がいるなんて思わなかったから」
「ああ、なるほどな。俺の幼馴染なんだよ。最近こっちに戻ってきたんだ」
「そっかぁ。でも去年より上だとわたしは思うな。なんていうか・・・。そう。包み込まれるような感じ」
と恭輔と桜で話していると、
「なにこそこそしてるのぉ?」
とほなみがふたりの間に入って声をかけてきた。
「ううん、なんでもないの。気にしないで大丈夫だよ」
「むー。ちょっと怪しいけど・・。うん、わかった。気にしないねぇ」
とほなみはにっこりと笑いながら言った。
「まだ外にはだいぶ人がいるみたいね」
幕の切れ目からステージの外を見た桜が恭輔たちに言った。
「そうか・・。いつものこととはいえ、困るな」
と恭輔が苦笑いをしながら言うと、誠司と和成もそれに賛同した。
そういう人がいると言うのは嫌な事ではないが、ときどき邪魔に感じるのである。
「んー。やれやれ。仕方ないなぁ」
と桜はそんな恭輔たちの様子を見ながらくすりと笑って言った。
そして、放送室に上がるとすぐに降りてきて、近くにある非常口のキーを開けた。
「恭輔たちはここから出なよ。ほなみちゃんはわたしがどうにかするから」
「いいのか?まぁ、心配するだけ無駄なことだろうけどな」
と恭輔が笑いながら言うと、桜も笑いながら
「まぁ、そーいうこと」
とうなずきながら答えた。
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