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「じゃあ、こっちについては任せた」
恭輔はそう言うと、非常口から外に出て、誠司と和成もそれに続いた。
桜はそれを確認すると再び非常口のカギを閉めると、
「ほなみちゃん。とりあえず放送室に戻るよ」
と言ってまた放送室にほなみと一緒に戻った。
「さぁて、これからどうしますかね」
カギをくるくると回しながら楽しそうに桜が言うと、
「わたしはまだそんな知られてないと思うから、そのままでいいんじゃない?手伝いとかいって」
ほなみもにこにこと笑いながら言うと桜もそれにうなずいて
「じゃあ、行きましょうか」
と自分のかばんを持って、ほなみのほうをみてうなずくと放送室を出た
そして目立たないように端っこのほうを歩きながら体育館を出ようとすると
「あれ?会長じゃん、なんでこんなとこに?あと、その子は?」
と、出口付近にいた男子生徒が声をかけてきた。
「わたしは放送担当でもありますからね。リハの調整もしていたの。で、この子は転校生のほなみちゃん
そういう恭一郎だって新歓実行委員長じゃない。なにしてるの?」
とややあきれたような感じで桜が言うと、
「これから飾り付けのラストがあるんだよ。まぁ、その様子だとあいつらの逃走ルートは確保したみたいだな」
と恭一郎と呼ばれた生徒−秋山 恭一郎が笑いながら答えた。
そして、入口から飾りが入った箱を持ってきてどんと置くと、桜のほうを見てひとつうなずいた。
「ふーん、まぁがんばってね。わたしはほなみちゃんを教室に連れて行くから」
桜はそう言うとほなみと一緒に体育館を出て軽音楽室に向かった
「ねぇ、桜。あの人なんなの?」
「恭一郎のこと?お気楽な奴よ。仕事はきっちりするタイプだけどね」
唐突にほなみに質問されたことに桜はけらけらと笑いながらかえした。
「お気楽ですか?確かにそんな人でしたね」
ほなみもにこにこしながらいうと
「でしょ?」
と笑いながら桜も答えた
ほなみたちが軽音楽室についたときにはまだ恭輔たちは戻ってきてなかった。
「あれ?まだみたいね。じゃあ、中で待ってよ」
と桜は言うとほなみを軽音楽室の中に入れて、自分も中にはいった。
「えーっと、炭酸は飲めるかな?」
桜はほなみに問いかけ、うなずいたのを確認すると奥の冷蔵庫から炭酸飲料を取り出してほなみに渡した。
そして、自分の分のジュースも取ると、ほなみの隣に座って缶を空け、一口飲むと
「ほなみちゃんって恭輔のことが好きなんだね?」
とにこにこ笑いかけながらいきなり問い掛けた。
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