「わっ・・・・わたし!?」
ほなみはいきなりがたっと立ち上がって恥ずかしそうに下をうつむいた。
「そんなに・・・私ってわかりやすい・・?」
すごく不安そうにほなみが桜に問い掛けると
「そうね。私はすぐにわかったかな・・・まぁ好きな人がいる同士だからかも」
と桜は言うと少し恥ずかしそうに、にこっと笑った
「ねぇ・・・桜、どうしよう・・私、気付かれちゃってるかな・・」
「だいじょうぶよぉ。ああ見えて恭輔ってかなり鈍いから。ほなみちゃんも知ってるんじゃないの?」
けらけらと笑いながら桜が言うと、ほなみは一瞬考え込んでにこっと笑い返してきた。
「そういえば、桜の好きな人って誰なの?まさか・・・恭輔?」
「あたしの好きな人?恭輔じゃないよ。恭輔だったとしても・・ほなみちゃんと張り合うつもりはないもん」
桜はくすくすと笑っていたが持っていたコップの中に入ってるジュースを寂しそうに見つめた。
でも、それは一瞬だけで、すぐに笑うと
「あー。ここまで。こんなの私のガラじゃないよぉ」
とどかっと座って笑い飛ばした。
「あははっ。桜にも好きな人がいるんだ・・・」
「がんばらないといけないよねぇ。もう・・鈍すぎるのも嫌だよ」
などと話していると、軽音楽室のドアが開いて、恭輔たちが入ってきた。

「お疲れさまー。はい」
桜は恭輔たちのコップにジュースを入れるとひとりずつに渡した。
「お、サンキュー」
と恭輔は言うと、ジュースを飲んで机の上に置くと、
「で、いったい何を話していたんだ?」
と桜とほなみのほうをみて聞いてきた。
「えーっとね。少し前のことを聞いていたの。ほなみちゃんがまだこっちにいた時の話」
桜はほなみに目配せをするとでまかせをさも当然のように言った。
それを見てほなみもうんうんとうなずくと、にこにこと笑った。
「それよりさ。ちょっと提案があるんだけど」
笑っていた桜が急に真顔になって恭輔に問い掛けた。
「ん?なんだ?」
「ほなみちゃんを最初に歌わせる曲なんだけど、あれはどう?」
桜はそう言うとロッカーを開けて少し古い譜面を取り出した。
「どれどれ?ああ・・・これか。懐かしいな・・」
恭輔はそう言うと誠司たちにもその譜面を見せ、誠司達も懐かしそうな顔をした。
「え?どんな歌なの?」
ほなみが興味津々と言った感じで聞くと、
「うちらが一番最初に演奏した曲さ。ほなみも何の曲かわかるだろ?」
と恭輔はほなみに譜面を見せながら言った。
ほなみはそれを見ると『わかった!』と言った感じでうなずいて、
「これを私が歌えるの?」
と嬉しそうに言った。
「そうだな。新メンバーの加入って言う意味もあるし、ひさしぶりにやるか?」
恭輔があたりを見回しながら言うと、肯定的な笑顔を全員がしていた。
「じゃあ、決定だな。でも、時間がないから一気に行くぞ?」
恭輔は楽しそうに笑いながら、でも少し気を引き締めた感じで言った。

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