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「ほらほらぁ、急がないとぉ」
ぱたぱたと走りながら恭輔にほなみが言う。
「わかってる。あ〜・・寝坊するなんてなあ」
恭輔が時計を見ながらスピードを上げる。
「でも、なんとか間に合うかな?」
「間に合わなかったらしゃれにならないよ。ほんとに。」
「そうだね。もうちょっといそごっかあ・・・」
ほなみがさらにスピードを上げながら言う。
「そうだな。あと5分、急がないと。」
言ってリュックの向きを直しながら、恭輔は走り続ける。
「わ〜。もう電車来ちゃうよお」
「大丈夫だ、間に合う。ほら。」
恭輔がポケットの中から切符を取り出してほなみに渡す。
「わ、準備いい。まさか寝坊を想定してたの?」
もらった切符を自動改札に通しながらほなみが問いかける
「違うよ、ただ何かあると怖いからな」
「ふふ。確かにそうねぇ」
「ほら、急いで乗り込め。」
カンカンと階段を駆け下りてほなみと恭輔は電車の中に滑り込む。
「あつい〜。でも、間に合ってほっとしたあ・・・」
ほなみが肩で大きく息をしながらほっとした顔をする。
「おー、なんとか間に合ったみたいだな」
「和成・・お前、遅刻すると思ってたろ。」
「少しはな。でも、ほなみちゃんがいるなら平気だと思ったけど」
ドアのすぐ隣に座っていた和成が笑いながら言ってくる。
「どういう意味だよ。まるでほなみがいなかったら遅刻するみたいに。」
「え〜?だって今日はわたしが起こさないと寝ていたくせにぃ。」
少しむっとした顔をしてる恭輔の顔を覗き込みながらにっこりと微笑んでほなみが言う。
「ほら、やっぱり予想通りだな」
和成が笑いながら言うと電車は次の駅について誠司と桜が乗ってきた。
「おはよっ。うん、遅刻はいないようね。」
3人の姿を見た桜がにこやかに言う。
「全員が時間通りにそろうとはな。雨が降らなきゃいいが」
誠司が空を見上げながら言う。
そして5人を乗せた電車は晴れ渡る空の下を走っていく・・
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