「そんなに驚かなくたって大丈夫よ。恭輔じゃあないからねー。」
戸惑いの表情を浮かべて不安そうにするほなみを見ながら沙良が言う。
「じゃあ・・2択ですよね・・。どっちです・・?」
桜も不安そうにしてるのを見て、。
「あら?桜ちゃんもあの中に好きな人いるの?」
「はい・・実はそうなんです・・。沙良先輩と一緒だったら勝てないかも・・」
下をうつむきながらぽつりぽつりと言う桜をさらに下から覗き込みながら、
「桜ちゃんの好きな人ってだーれ?」
と問いかける。桜は顔を真っ赤にしながらごにょごにょと名前を言った。
「えーっ!?そうなの!?」
ほなみがそれを聞いて驚きの声を上げる。
桜は何も言わず、ただこくんとうなずいた。
「あたしの好きな人はねぇ、ごにょごにょ・・・」
沙良が桜とほなみの耳元でささやく。それと同時に桜の顔がぱあっと明るくなった。
「大丈夫だったね。ほっとしたー。」
沙良がそう言いながら微笑む。桜もうれしそうにうなずいた。
「3人とも違うのがわかったら、一安心だね。
さ、練習するよー。」

沙良がぱんぱんと手を叩きながら言い、ほなみと桜は『はいっ!!』と声をそろえて返事をした。

「さて、じゃあまずはさっき録音したのを聞いてもらいましょうか。
まずはほなみちゃんから。」

そう言って沙良が再生ボタンを押すと、レコーダーからさっき録音した歌声が流れてきた。
3人はその声にじーっと聞き入る。
「さて、どう?」
沙良がテープを止めて二人に聞く。二人は聞いてもいまいちわからなかったらしく、首をかしげた。
沙良もそれを予想してたらしく、 「んーとね、ほなみちゃんは詩に対する感情移入はいいの。
あとは声量とか、基本項目ね。」

「基本項目・・ですか。でも、何をすれば・・」
「うーん。課題についてはまたあとで。桜ちゃんのも聞いてもらってから。ね」
「あ、あたしのも聞かされるの?」
いきなり話が自分の方に向いたのに驚いたのか、桜が声を上げた。
「当たり前のことを言わない。桜ちゃんも欠点あるんだから」
言うなりテープを変えて再び再生ボタンで歌声を流し始めた。

「さて、今度はどうかしら?」
停止ボタンを押してテープを外に出しながら沙良が再び聞いた。
「桜ちゃんはあたしより声量や声に力はありますねー。」
うんうんとうなずきながらほなみが言う。
「そうね。確かにほなみちゃんより声量はあるわ。でも、ある意味それだけ。ねぇ」
沙良がにこやかに笑いながら言った。
「さて、じゃあ課題だけど、ほなみちゃんは発声練習。やり方はこれ。ね」
そう言いながら置いてあったかばんからひとまとめになってる紙を出してほなみに渡した。
「桜ちゃんはイメージトレーニングと細かい調整ね。」
「イメージトレーニングですか・・。どうやってやればいいんだろ・・」
桜が首をかしげながら言う。沙良は微笑むと
「えーと、とりあえずほなみちゃんはその紙の通り今日はやってみて。
桜ちゃんにはあたしが付いて教えるわ。」

とほなみたちに言った。



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