外は細かな霧雨が降っているせいだろうか、
放課後にもかかわらず家路へと赴く生徒もまばらだった。
簡単な食事を済ませたセリオスが、いつものように図書室のドアを開く。
午前授業のクラスもあったせいか、図書室にいる生徒はさらに少ない。
カウンターにはお馴染みのカイルとクララの姿がある。
セリオスは二人に軽く会釈をすると蔵書から読めそうな本を探す。
そして3冊くらい抱えると、人がいない図書室のはずれの方の席に座り、目を通し始める。
このあたりはセリオスの日常的作業のひとつだ。
軽く目を通したところでその本は閉じ、次の本へと目を通す。
すべてを読んでしまうと確実に時間がなくなってしまうため、『良さそう』と思ったのは借りていくのだ。
そういう一連の作業を繰り返し、今日もセリオスの前には6冊の蔵書が山を積んでいた。
「さて、そろそろ時間か」
セリオスは時計に目をやると、机の上にあった本を抱えてカウンターへと持っていく。
「すまない。これだけ頼む」
「はい、わかりました。そう言えばセリオスさん、アロエちゃんが来てたの気がつきました?」
渡した本の貸し出し処理をしながらクララがセリオスに問いかけてきた。
だが、アロエが来ていたことなんてセリオスは気がついてない。言葉を聞いていきなりあたりを見渡す。
「もう帰られたのでしょうか。・・・はい。お待たせいたしました」
微笑みながらクララが本をまとめてセリオスに言う。
「ああ、ありがとう。それじゃ、仕事頑張ってくれ」
セリオスは本を受け取るとクララに挨拶をして図書室を出た。
図書室の外に出るとセリオスは本をかばんにしまって校舎の出口へと向かう。
ふと後ろから声をかけられた気がして振り向くと、アロエがこっちに走ってきた。
「ねーねー、セリオス〜、明日の午後、セリオスの部屋に行ってもいい?」
にこにこと微笑みながらアロエが聞いてくる。
好きな子を自分の部屋に入れるのを否定する要素は何もなく、セリオスも優しく微笑んでうなずく。
「わーい、ありがとー☆明日セリオスの部屋に行くときにおみやげ持っていくから待っててね☆」
そう言うとまたアロエはとたとたと走り去っていった。
明日の午後は楽しい時間になりそうだな。とセリオスはふっと笑いながら寮に帰ることにした。
とたとたと廊下を走っていたアロエはそのまま図書室のドアを開けて中に入った。
そして蔵書の中から考えている本を探しにかかる。
「あら?アロエちゃん、何の本を探しているの?」
あたりときょろきょろと見渡しながらアロエが本を探していると、
返却されたらしい本を抱えたクララが声をかけてきた。
「あ、クララ〜。えっとねぇ、お菓子の本ってどこだっけな〜って」
「お菓子の本ですか?それならこっちですよ☆」
クララが歩く後をアロエもついていって、お菓子系統の本が並ぶ棚にやってきた。
「わーい。ありがと〜」
「アロエちゃんって普段からお菓子作ったりするんですか?」
クララの問いにアロエはふるふると首を横に振る。
「ううん。普段はアロエは作らないよ。でも、今度は作ってみようかな・・って思うんだー」
「そうなんですか。何を作ろうとしているの?」
「えっとねー、チョコレートケーキ♪」
アロエがにこやかに微笑みながら言う。クララはそんなアロエの様子を見ていたが、
「アロエちゃん、私も一緒に作っていい?」
と意を決したようにアロエに問いかけた。
「クララもいっしょに?いいよ〜☆いっしょに作ろっ♪」
アロエが元気よく、でも図書室の中なので静かに言うと、クララの顔がぱあっと明るくなった。
そして持っていた本を所定の位置に戻しながら、
「いつ作ります?私はいつでも構いませんけど」
とアロエに言う。アロエは少しだけ考える表情をして、
「それじゃあ、クララが図書委員の仕事が終わったらお買い物行って、明日の朝作るのって平気?」
「ええ。私は大丈夫です。じゃあ、そうしましょうか」
「じゃあ、決まりだねっ♪クララのお仕事が終わるまで、アロエは本読んでるねー」
そう言うと、アロエは棚からチョコレートケーキのことが書いてありそうな本を取ってテーブルへ向かった。
それから1時間くらい経っただろうか、アロエがふと本から顔を上げると、
周りにはほとんど生徒の影が消えていた。
「アロエちゃん、お待たせしました」
クララがアロエに声をかけてきて、アロエは読んでいた本を閉じるとそのままいすから立ち上がって
「それじゃ、いこ〜♪」
と元気に図書室から廊下に出た。
「お買い物ですよね?何を買うのです?」
「えーっとねぇ、まずはチョコレートでしょー、それから小麦粉とー、たまごとー」
ひとつひとつ言っては指折り数えながらアロエが歩く。
その後ろで歩くクララもなぜかいつもよりも心なしか楽しそうに見える。
「クララもお菓子作ったりするの?」
「わ、私ですか?いいえ、今まで作ったことなんて一度もなくて・・・」
「あ、そうなんだ〜♪じゃ、どうして作ろうと思ったのー?」
「あ、あの、やったことなかったら、やってみようかしら・・とか、そんなことを思ったんです」
そんなことを話しながらアロエとクララは買い物をすませていく。
30分もしないうちに二人の両手はいっぱいの買い物袋を抱えていた。
それから二人は寮に向かって歩き出す。
「今日はこの材料はどこに置いておくのですか?」
「うーん・・・考えてなかったぁ・・。アロエの部屋に置いておこっかぁ。明日使うしねぇ」
「じゃあ、明日の朝にアロエちゃんの部屋に取りに行きますね。それからアカデミーの調理室に行きましょう」
クララがそう言ってアロエが納得すると、二人はアロエの部屋へと向かった。
その日の夜、アロエは布団に横になりながら結局図書室から借りてきた本を見ていた。
「明日はセリオスに喜んでもらえるケーキが作れればいいなぁ・・・」
ごろんと仰向けになって天井を見ながらつぶやく。
普段はお菓子なんて作らない。でも、相手がセリオスだから。
好きな人には自分の女の子らしい所も見せたいし、見てもらいたい・・。
「今日は早く寝ようっと♪寝られなくて、明日に響いちゃ大変だもんね☆」
そう独り言を言うと布団に横向きになって、アロエは眠りに落ちた。
ちち・・・ちちちち・・・
小鳥の鳴く声が窓の外から聞こえる。
1回、2回と寝返りを打ってから、アロエは伸びをして布団から起き上がる。
外を見てみると今日もすっきり晴れていい天気のよう。
「さーてとっ♪着替えて、クララとケーキ作らなきゃ♪」
そう言うとクローゼットから制服を取り出し、着替える。
アカデミーの調理室を使うから制服じゃないとだめなんです。
すると、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「はーいっ」
とたとたとアロエが扉を開けると、早くも制服姿のクララが立っていた。
「アロエちゃん、おはようございます。そろそろ行きますか?」
「おはよ〜☆うん、そだねっ♪」
そう言うと冷蔵庫から昨日買った材料を取り出して、二人はアカデミーへと向かった。
調理室につくと二人は器材の準備を始めた。
「まずは薄力粉をふるいにかけて・・・っと」
本を見ながら二人はケーキ作りを開始した。
普段からお菓子作りなんてしない二人だから、順調になんて物事が進むわけなく・・・
「はう〜・・指切っちゃった・・・」
アロエが泣きそうな声で言いながら指を口にくわえる。
そしてその横でクララも同じように指を切ったらしく、絆創膏を指に巻きつけていた。
ただ、二人ともいつもと違ったのは・・・
「泣いてたりしていられません。ちゃんと、おいしいケーキを作らないといけないですから・・」
「うん。そうだね!アロエも頑張って作らなきゃ!!」
小さく右手で握りこぶしを作ると、二人で気合を入れなおしてまた作業に取り掛かる。
「アロエちゃん・・・お酒なんか入れて大丈夫?」
本に書いてある通りに作っていたクララがそっとアロエに聞いてきた。
確かに本には、使用材料にも作り方にもお酒を入れることが書いてあった。
「だいじょーぶ☆そんないっぱい入れるわけじゃないし、酔ったりはしないって♪」
一体どこからそんな自信があるのか、アロエはにこやかに笑って作業を続ける。
「そう・・ですね。たくさん入れたりしなければ大丈夫ですよね」
クララもそんなアロエの様子を見てほっとしたのか、再びボウルの中身と格闘を始めた。
少しずつ、でも確実に時間とともに進んでいく二人のケーキ作り。
型に入れて、軽く空気を抜いてからオーブンに入れる頃にはケーキ作りをはじめてから、
もう2時間くらいの時間が経過していた。
「あとは、ふくらんだら温度を少し下げて30分くらい焼くんだよね?」
「・・そうですね。ここまできたら上手に焼きあがって欲しいです」
二人は祈るようにオーブンの中を見ながら言う。
それからしばらくして、ちゃんとふくらんだのを確認して温度を下げ、またしばらく待つ。
さらにしばらく待って、二人は焼きあがったケーキをおそるおそるオーブンから取り出して、
机の上に、粗熱を取るために置く。
「形は・・・大丈夫だよ・・ね・・?」
「そうですね。もうここまで来たら大丈夫だと信じましょう☆」
そして粗熱が取れてから、二人は型からケーキをはずして、上に粉砂糖を茶こしで振りかけた。
「やったぁ!かんせ〜い!!!」
「やりましたね!!」
二人は出来上がったケーキを前にして大喜び。そして、後片付けを始めた。
それから二人は持ってきていた箱にケーキをしまうと、調理室を出て、歩き始めた。
「クララはそれ、自分の部屋で食べるの?」
「わ、わたしですか?いいえ、ちょっと食べてもらいたい・・人がいますから、その人に・・」
クララがぼそぼそと答えてくる。
アロエはそんなクララに「?」と首をかしげながら、
「でも、一生懸命作ったんだから、喜んでもらえるといいねっ♪」
とにこやかに笑いかけた。
「そうですね☆アロエちゃんも、自分が食べるんじゃなくて誰かに?」
「うんっ。そのために頑張って作ったしねっ」
「そうですか。じゃあ、アロエちゃんもその人に喜んでもらえるといいですね☆」
二人は寮に向かう道を歩きながらにっこりと顔を見合わせてうなずきあった。
寮の前まで来たところでクララと別れ、アロエはセリオスの部屋へと向かった。
さっき時計を見たときには12時手前。約束どおり午後に行くことが出来そうで
アロエはひとまずほっとしていた。
「う〜・・・おいしく出来てると・・・いいなぁ・・」
抱えるように持っているケーキの箱を少しだけぎゅっと抱いてアロエはつぶやく。
そしてセリオスの部屋の前まで来たアロエは、意を決してこんこんと扉をノックした。
するとすぐさま「はい」という反応のあとで、扉が開いてセリオスが出てきた。
「やあ、いらっしゃい」
「えへへ・・おじゃましまーすっ」
アロエはセリオスの部屋に入ると、いつものようにソファに座って、テーブルの上に箱を置く。
「今すぐに紅茶を入れるから、ちょっと待ってて」
セリオスが他の人には絶対に見せないような優しい表情でアロエに言う。
「はーいっ☆」
アロエは元気よく返事をしながら、セリオスの部屋を見渡す。
本棚とか机とか、特別変わった物は何一つ置いてはいないけれど、きちんと並べられた本や、
しっかりと片付けられた机の上などにセリオスらしさが見え隠れしている。
そんな「らしさ」をみることが嬉しくて、いつの間にかアロエは微笑んでいた。
「はい、お待たせ。って・・どうしたんだい?なんだか楽しそうだけど」
ティーカップセットに入った紅茶を持ってきながら、セリオスが問いかける。
アロエは相変わらずにっこりと微笑んだままで答える。
「ううん。なんでもないよっ♪」
「そうか。今お菓子も出すからちょっと待っててくれ」
紅茶をテーブルの上に置いたセリオスがまた台所へ向かおうとするのを見て
「あ、セリオス、ちょっと待って」
とアロエは声をかけて、テーブルの上に置いた箱からがさがさと中身を取り出す。
さっきまで一生懸命に作った、見た目にも本格的なチョコレートケーキがテーブルの上に置かれる。
「アロエ、どうしたんだい?これ」
「昨日おみやげ持っていくって言ったでしょ?はい、これがおみやげ♪」
アロエがセリオスの問いに嬉しそうに微笑んで答える。セリオスは「じゃあ、斬らないとね」と
包丁と皿を取りに台所へと向かい、包丁を持ってきてケーキをカットしはじめる。
そしてテーブルの上にはセリオスが入れたレモンティーとアロエの作ったケーキが置かれた。
「いっただきまーすっ☆」
セリオスがアロエの向かいに座ったのを確認してから、二人だけのティータイムが始まった。
ぱくっとアロエがチョコレートケーキを食べると、口の中いっぱいにチョコレートの香りが広がる。
使ったのがセリオスにあわせてビターチョコレートなので、そんなに甘くもなく、
でも、ちゃんと出来上がってることがアロエには嬉しかった。
「このケーキ、どうしたんだい?」
「えへへ、アロエが作ってみたのー。クララといっしょに」
アロエの言葉にセリオスは驚いてケーキとアロエを交互に見比べた。
「すごいな・・。ちゃんと出来てるし、かなりびっくりしたよ」
「アロエも上手に出来るか不安だったけど、出来てよかったー☆」
アロエは嬉しそうに微笑みながらケーキを食べる。
セリオスはそんなアロエを見て、かわいく、なおかつ愛しく思えてくる。
そんな中で時間はゆっくりと流れていく。
アロエが持ってきたケーキもなくなって、セリオスが3杯目の紅茶を入れなおした時、
アロエがソファから急に立ち上がった。
「アロエ?」
セリオスがアロエに声をかけるとにこっとアロエは微笑みを返してくる。
なにかおかしい。そう思ったセリオスだったが、どこがおかしいかわからず戸惑っていると、
アロエがセリオスの隣に座ってきた。
途端に自分の鼓動が一気に速度が上がり、少しだけ顔が赤くなるのにセリオスは気がつく。
無理もないだろう。好きな女の子が隣にちょこんと座ることなんて慣れてるはずがないのだから。
どんな行動を取ればいいかわからず、セリオスが戸惑っていると
「えーいっ☆」
とアロエがセリオスに飛びついてきた。
「わっ!?」
とっさにセリオスが反応できるはずもなく、そのまま二人はソファに横になるような格好になった。
もちろん、セリオスが下、アロエが上の構図である。
アロエが飛びついてきたこと、その顔がすぐ近くにあることになおさら戸惑いながら、
それでも少し冷静にどうしてかをセリオスは考えて、ふと思いついた。
「あ、アロエ。ひょっとして・・酔ってないかい?」
「んーん☆酔ってらんかないよぉ〜♪あははっ☆」
アロエはセリオスの問いににこやかに反論するが、セリオスからはどうしても酔ってるとしか思えなかった。
そんなセリオスの考えを知ってか知らずか、アロエはセリオスの目を覗き込むように見てくる。
「だーかーらぁ、酔ってらんかいないってばぁ。ね?せーちゃん☆」
セリオスはその呼び方を聞いて一気に顔が恥ずかしさで真っ赤になった。
「アロエ、絶対君は酔ってる・・。それにその呼び方は・・・」
セリオスがやや諦めたように言うと、その言葉を途中で遮って
「もー。うるさいせーちゃんにはこーだぁ♪」
とアロエが自分の唇でセリオスの唇を口封じといわんばかりにふさいだ。
・・・。
・・・・・。
!?!?!?!?
セリオスは当然のように絶句し、パニック状態に陥った。
いきなりアロエがキスをしてきたのだから。しかも、セリオスの目にはアロエの目がしっかりと映っている。
つまり、目を開けたままキスをしてきたのだ。
実際の時間は5秒ほどなのだが、セリオスにはその間どれくらいの時間が経ったかわからなかった。
アロエがその唇を離しても、当然セリオスは何も話すことが出来ない。
「えへへっ。せーちゃんってか・わ・い・い☆」
そう言ってアロエは人差し指をセリオスの唇に当ててくる。
完全に思考回路がショートしていたセリオスはただその行動をぱちくりさせながら見るだけだった。
次にアロエはぽふっとセリオスの胸のところに顔を埋めて
「わぁ。せーちゃんすごくドキドキしてるぅ。アロエのせいかなぁ?☆」
と言うと微笑みながら目を閉じてセリオスの鼓動を聞き入ろうとした。
それからどれくらいの時間が経っただろうか、セリオスがおそるおそるアロエを見ると、
アロエはセリオスの上に体を置いたまま安らかな寝息を立てて寝ていた。
このままだとアロエが風邪を引いてしまうし、とはいえ、セリオスがソファから動くと
アロエも起こしてしまう不安があるので、セリオスはソファにかかっていた薄手の布をアロエにかけてやる。
ともすれば暴走してしまいそうになる自分を必死に理性で抑えようと努力をしながら、
そっとアロエの髪をなでてやる。
その寝顔はとてもしあわせそうで、セリオスもそんなアロエを見てふっと微笑んだ。
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ここまででもいいですが、もう少しその後も付け加えておきます♪
UPする時に加える、加えないは先生にお任せ、です☆
夕陽の紅い光が窓から差し込み、セリオスがそろそろアロエを起こそうかと考えた時、
「う、うーん・・・」
アロエが身を少しよじると目を覚ました。
「あれ・・?アロエ・・寝ちゃってたの・・・?えっ!?ええええっ!?!?」
がばっとセリオスの体の上から飛び起きて、アロエはパニックに陥る。
それはそうだろう。寝ているのがソファの上ではなく、セリオスの体の上だったのだから。
その顔はもちろんのこと、耳まで真っ赤なのは言うまでもない。
「ねーねー、セリオスぅ・・・アロエ、セリオスになんか変なことしてない?」
半泣きになりそうな顔でアロエがセリオスに聞いてくる。
どうやら記憶がないのだろうか?それはそれで構わないことなのだが。
セリオスはふっと微笑むと、実際あったことは隠して
「大丈夫だよ。アロエが心配するようなことは何もないから」
そう言って、アロエの髪の毛を優しくなでてやる。
アロエはやっぱり恥ずかしいのか、こくこくうなずくだけだったが、さっきより不安は消えてるようだった。
「じゃあ、もう一回紅茶を入れなおすから、ちょっと座って待ってて」
少しでもアロエを落ち着かせようと、セリオスはそう言うと新しい紅茶を淹れに行った。
パニックになってるアロエは気がついてなかったが、それでもまだセリオスの顔も赤くなっていた。
アロエは酔うといつも以上に大胆になること、その間の記憶はないこと。
今日は今までセリオスが知らない、いや、誰も知らないアロエの一面を見ることが出来ていたのだから。
毎回ああいうのはさすがにセリオスも持たないだろうが、たまには・・・
「誰も知らない僕だけのアロエ」を見てみたい、と。大切にしたいと思った。